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【コラム】災害時の口腔ケアの重要性について

[2025.03.14]

 3月11日。未曾有の被害をもたらした東日本大震災から14年が経ちました。
大きな災害に直面すると突発的な不安や恐怖により混乱状態に陥ります。被災地における歯磨きの問題は様々な影響を及ぼすため国や自治体、歯科医師会なども力を入れる大きな課題の一つです。災害関連死でもっとも多いのは肺炎であり、1995年の阪神淡路大震災による災害関連死のうち24.2%を肺炎が占めています。また東日本大震災でも、震災発生から1~2週間後の死亡原因として、肺炎がもっとも多かったと言う報告があります。この他の災害においても、誤嚥性肺炎による災害関連死は常に多数発生しており、非常に危険な病気であるという認識が必要です。誤嚥性肺炎と言う言葉をよく耳にするかと思います。口の中の汚れ、細菌などが唾液とともに肺の方に入ってしまうことによって起こる肺炎のことを言います。ムセたり「ごっくん」と上手く飲み込めない嚥下障害が起こると誤嚥性肺炎を起こす危険性が高くなります。

誤嚥性肺炎を予防するためには避難所生活でも歯磨きは大切です。

水不足時の歯磨き方法は、歯磨きシート、液体歯磨き、マウスウォッシュ、キシリトールガムなどを用いることが有効です。歯磨きシートは指に巻き付けて使用し、粘膜に残った汚れや歯の表面のぬめりなどを拭き取るには便利なアイテムで、昨今ではインターネット販売、100円均一などでも販売がされています。未開封であれば3年使用期限が保たれる商品ですので、防災グッズの備品としても準備ができるかなと思います。歯科の現場では寝たきりでうがいが出来ない方、ムセて水が使えない方、認知症などでうがいの認識が出来ない方、など往診先でも非常に役立っています。皆さんは歯磨き時のうがいを何回もされたいかと思いますが、10~15㏄の少量のお水で細かく2~3回に分けてゆすぐ方が汚れが落ちると言われています。いざ水が使えない時に備えて、普段からのうがい習慣を変えてみませんか。

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