【コラム】細菌性心内膜炎と歯科の関連性について
[2025.07.11]
感染性心内膜炎とは、心臓の弁や心膜に出来た傷に血液から侵入した細菌が付着し、細菌が塊を作ることで、深刻な感染症を引き起こした状態のことです。
弁膜疾患や先天性心疾患に伴う“血流の異常“がある方や、人工弁置換術後などの“体内異物”がある方に多く発症し、
発生頻度としては人口10万にあたり数人/年と言われています。
歯科治療においても細菌性心内膜炎とは深い関係があります。
例えば、抜歯、歯周外科手術、スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング、インプラントなど、出血を伴う処置が必要になるとその際には血液中に細菌が入る一過性の菌血症を引き起こします。健常者には影響にはほぼありませんが、心臓や血管に欠陥や手術の痕があると菌がその部分に付着し増殖して細菌性心内膜炎を引き起こすことがあります。
そのため歯科治療時には処置によっては1時間前に抗生剤の予防投与が必要になる場合があります。
また、口腔内の不衛生や虫歯や歯周病も細菌性心内膜炎を引き起こす原因となることが多く、口腔内の衛生を保つことは非常に必要です。
感染性心内膜炎は発症すると生命にかかわる疾患です。そのため歯科を定期的に受診しお口の状態をチェックしてもらいましょう。主治医から歯科を受診する際の注意点を説明されている場合は、必ず忘れずに申し出てください。
